樹齢55年以上、収量12hl/haという古樹のモナストレルから生まれるトップキュヴェ。その名の通り、18ヶ月間バリックで熟成。熟した黒い果実の力強いアロマに溶け込んだスパイスやカカオ、トーストの香りが心地よい。熟した果実に気品ある酸、どっしりとしたタンニンが混然一体となり、グラスの中で花開く。収量を抑えた3種のブドウをブレンドすることにより生まれたとびきりの凝縮感と複雑さが楽しめる。
レイモンはムルソーの斜面上部に隣接する3つの区画、レ・ティレ、レ・クルー、レ・ヴィルイルからワインを手掛けているが、その中で最も力強いワインとなるのが東向き斜面に位置するレ・ティレ。黄色い果実を思わせる甘味と厚みを備えた果実。雑味がなく透明感あるスタイルのムルソーで、程よい樽香が心地良い。
リムーのオート・ヴァレ地区の粘土石灰土壌と標高500mという高地の涼しい気候により、南仏でありながらブルゴーニュを思わせるピノの美しさが活きる。ブラックチェリーのフルーティさに黒いスパイスのほのかな香り。たっぷりと詰まった旨みやエキスに魅了される芳醇なピノ・ノワール。
アイシュベルクは古くから優れたリースリングを生むことで知られていたグランクリュ。土壌は第三紀の礫岩と泥灰土を基本とする。エギスハイム村のふたつの丘に分かれて広がるが、エミール・ベイエの所有区画は集落に近い南向き斜面の中腹から下部にあり、石灰が少なく砂岩を多く含む。南部アルザスの温暖な気候を感じさせる豊かな果実。どっしりと腰を落ちつけつつも、アロマティックなフィネスを備えた味わいに、土壌由来の細く鋭利な酸が更なる気品を添える。
ムルソーの国道近くにある2区画からくる樹齢50年のアリゴテ。非常にフレッシュで生き生きとしており、リンゴやグレープフルーツなどのピュアな果実味とミネラルがしっかりと感じられる。10年以上の熟成のポテンシャルを持つ驚くべきアリゴテ。
海抜420mの北西向き斜面に位置する単一畑クイントデーチモから造られる最上クリュ。土壌は石灰が豊富な粘土質。同畑からのワインでも特に優れた樽のみが瓶詰めされるため生産量が少なく、またルイジが求めるレベルに達しないと判断した年は生産されることがない。色の濃いプラムやチェリーの完熟果実、スパイス、バニラの驚くほど濃厚な香りが爆発的に広がる。これ以上ないほど凝縮した果実の甘さがどこまでも続き、熟した豊かなタンニンや伸びやかな酸と複雑に絡み合い、洗練されたフィニッシュへと続く。目もくらむようなスケールの大きさは圧巻。