モンタルチーノの街から約5kmほど南下し、はるか西方向にはティレニア海を望むことができる見晴らしの良い場所に位置するポッジョ・アンティーコは、標高480-620mとモンタルチーノの生産者の中でも最も高地となるこのエリアに畑とワイナリーを所有している。この標高の高さは大きな昼夜の寒暖差を生み出し、ブドウがゆっくりと成熟するための理想的な条件を提供する。さらに、ティレニア海から吹き込む強い風が湿度を抑え、病害のリスクを軽減し、十分なハンギングタイムを確保する環境を作り出している。この結果、ワインは独自の複雑性と力強い果実味を持ち、そして高地ならではのフレッシュでエレガントなニュアンスを兼ね揃えた唯一無二のキャラクターとなる。
ポッジョ・アンティーコの特異性は標高の高さだけにとどまらない。所有畑はイ・ポッジ、レ・マルティーネ、マドレ、イングレッソという4区画に分類され、その畑には15種類もの異なる土壌ユニットが存在し、この多様性がワインにさらなる奥行きと複雑さをもたらしている。石灰、ローム、粘土、砂などが含まれる土壌は、それぞれ異なる特徴を持ち、区画ごとに詳細な分析と分類が行われている。ワイナリーでは、これらの土壌特性に合わせた精密な管理を徹底しており、区画ごとに異なる栽培アプローチを採用。収穫後も各区画ごとに醸造を行い、異なるテロワールの個性を最大限に引き出してから最終的にブレンドを行う。この緻密なプロセスにより、標高と土壌の多様性というテロワールの持ち味を余すところなく活かし、それぞれの区画が持つ豊かな個性をワインに的確に反映させている。
ポッジョ・アンティーコは、伝統的な手法に科学的アプローチと革新を融合させてきたワイナリーだが、2017年以降はさらなる進化を遂げている。同年、ブリュッセルを拠点とする投資会社の会長がオーナーに就任し、品質向上を目的とした大規模な投資が始まった。現在ゼネラルマネージャーを務めるピエール・ジュゼッペ・ダレッサンドロは、醸造学と農業学の両分野で学位を取得した専門家として現場を指揮し、多方面にわたる改革を推進している。畑の詳細な地質調査、再植樹プログラム、区画ごとの土壌管理の最適化、さらには重力式の最新セラー設備へのリノベーションなど、畑とセラーの両面での革新を進めることで、既存のポテンシャルをさらに引き上げている。さらに、2020年にはEUの有機認証「ユーロリーフ」を取得し、環境への配慮と持続可能な農法を徹底。農薬や化学肥料を一切使用しないことで土壌の健全性を保ち、ブドウ本来の力を存分に引き出している。このように、大いなるテロワールの可能性を引き出すために惜しみない努力と投資を続けるポッジョ・アンティーコのワインは、自然と科学、そして人間の技術が融合して生み出された一つの芸術品とも言える。この地に息づくテロワールと情熱は、ワイナリーのさらなる飛躍を確信させる。
商品コード:12256E
チェリーやラズベリーの明るい果実に、クローブやシナモンのスパイシーなニュアンスが幾重にも重なり、まるでスパイスボックスを開いたような香りが広がる。熟した果実の芯は生き生きとした酸によって引き締しめられ、余韻にはリコリスの香りと心地よいタンニンがじんわりと広がる。
商品コード:12259E
カシスやチェリーのジューシーなアロマにワイルドローズマリーやミネラルのニュアンスが重なる。凝縮した豊かな果実とタイトなタンニンがフィニッシュを引き締め、長い余韻の中で美しいバランスを見せている。
商品コード:12258E
ブラックベリーやプラムの果実味に、ユーカリやクローブ、バニラの風味が溶け込む。フレッシュな果実と密度のあるタンニンが調和し、長い余韻に力強いエネルギーを与えている。
商品コード:06340E
標高480-570 mに位置する畑。ピュアなチェリーのアロマにローズポプリやマッシュルーム、アカシアウッドのニュアンスが複雑に重なり合う。豊かな果実のエネルギーに美しい酸と繊細なタンニンが調和した、クラシックなブルネッロ。
商品コード:06342E
ブラックチェリーやブラックベリーのダークフルーツに、ユーカリやブラックペッパーの力強く熟したアロマ。熟した果実の核を豊富なタンニンが包み込むがその口当たりは滑らかで柔らかく、繊細でチョーキーなタンニンとブラッドオレンジを思わせる鮮やかな酸がが余韻を引き締める。
商品コード:12257E
イ・ポッジは、標高550〜570mに位置する南西向きの単一畑。チェリーやラズベリーの豊かな果実味に、ジュニパー、ワイルドタイム、セージの香りが美しく調和する。繊細で丸みのあるタンニンがベルベットのような質感を生み出し、深みのある長い余韻へと導く。