グランクリュの谷の右側に位置するシャブリ・プルミエ・クリュ・モンテ・ド・トネールは、間違いなくプルミエ・クリュの中で最も完成度が高い。ミネラル感、花のタッチ、豊かさが凝縮され、偉大なヴァン・ド・ギャルド(長期熟成ワイン)に仕上がっている。アプリコットの香りに、バターとリコリス、ホワイトペッパーのタッチが加わる。素晴らしいミネラル感を持ち、力強く構造的なフィニッシュ。
香りには明確な花の香りとミネラル感がある。味わいはオーク樽由来の風味がバランスよく果実の風味と混ざり合っている。
パルティシオンをさらに寝かせ、熟成のピークに近づいたタイミングでリリースされる稀少なキュヴェ。生産量は極めて少ない。ナッツを主体に柑橘果実も感じられる香ばしいアロマ。バターやヘーゼルナッツ、トーストの味わいを緻密に溶け込んだ酸が支えている。
ヴォーヌ・ロマネの高地(約280m)にあるわずか0.39haの畑。コンコール村の渓谷の入り口に位置する北東向きの斜面。樹齢114年。標高の高さと斜面の向きからどのヴィンテージであろうと、豊かな酸に恵まれ長期熟成に向くワインに仕上がる。レッドカラント、ブラックカラント、リコリス、スパイス、ラベンダーなどの非常に円熟したアロマ。口に含むと非常に柔らかいタンニンを感じ、ラズベリージャムやストロベリーに加え、花やスパイス等のフレーヴァーの張りがしっかりと感じられ、甘味と酸、そしてミネラルが口の隅々まで浸透していき素晴らしいフィニッシュにつながる。村名とは思えないほどの出来栄え。
レ・ゾリゾーはメルフィの集落の南側に位置する単一畑で、1950年代に植樹された。砂と石灰が主体の土壌には鉄分が含まれ、粘土が少し混ざっているため、独特のミネラル感とふくよかさとが備わる。石灰系のミネラリーな香りが徐々に開き、ほのかなハチミツのニュアンスやブラックベリー、ブラックカラントなどのベリー系果実が現れる。じわじわと旨みがわき出る透明感あるふくよかな味わい。長い余韻はチョーキーかつエレガント。
平均樹齢60年を超えるブドウから造られるヴィエイユ・ヴィーニュ。上品なオークの香りとリッチで粘りけを感じさせる上品な凝縮味と秀逸な余韻の長さを誇る。以前は別のキュヴェとして作られていた上質の区画のブドウをブレンドするようにしたことが このキュヴェの品質を向上させている。
初ヴィンテージ1990年。モンフォルテの東側斜面で最も名高いクリュ・ジネストラは2箇所に分かれているが、このワインにはパヤナの集落側の区画のブドウが用いられている。海抜300mの南向き斜面で、砂が混ざった凝灰岩と粘土泥灰岩の混合土壌から華やかなキャラクターが与えられる。凝縮した果実は非常に表情豊かで、終始一貫ゴージャスかつエレガント。広がりのあるボディと果実味豊かな味わいが魅力の外交的なバローロ。