「南ローヌの神様」「100点請負人」と呼ばれる伝説の醸造家フィリップ・カンビが醸造を務め品質が向上。北向きで標高の高いサンロマン・ド・マルガルドの魅力を余すところなく表現している。
「南ローヌの神様」「100点請負人」と呼ばれる伝説の醸造家フィリップ・カンビが醸造を務め品質が向上。北向きで標高の高いサンロマン・ド・マルガルドの魅力を余すところなく表現している。
南ローヌの主要都市の1つであるオランジュの南部には、かの有名なシャトーヌフ・デュ・パプのエリアが広がるが、その一方で町から北東約20kmに位置するラストーも決して見逃してはならない。コート・デュ・ローヌ・ヴィラージュ最上のワイン産地であり、またヴァン・ドゥー・ナチュレルの産地としても知られるこのアペラシオンは、その品質の高さから2010年に単独のAOCとして認められ昇格した歴史を持つ。地中海性気候で夏は暑く乾燥するため、南仏系品種の成熟には理想的な土地である。
フォン・クローズはラストーにそびえる山のちょうど北側斜面にあるサン・ロマン・ド・マルガルド村に位置する。畑の斜面が北向きであることに加え、標高が150-360mと比較的高いことから、南ローヌでありながらも酸度の高いブドウがとれるというユニークなテロワールを持つ。創立は1997年と比較的まだ歴史は浅く、それ以前はブドウ栽培のみで元詰めをしていなかった。現3 代目ダニエルの世代に移行する際にドメーヌとしてワイナリーが誕生した。祖父の代から環境に配慮したブドウ栽培を続けており、2009年にはビオロジック認証を取得。現在所有する約80haの畑全てでオーガニック栽培が行われている。醸造ではあくまでも自然な抽出を心掛けており、高圧力でプレスジュースを絞り出すというアプローチではなく、ピジャージュやルモンタージュを行う醸しの期間を5-6週間と比較的長めにとる。種をむやみに押しつぶすことがないため、苦みやえぐみを伴うタンニンを避け自然な抽出が可能となる。
世界の注目を集める転機となるのは、2009年。手掛けたワインがパーカーポイント100点を連発する南仏で最も尊敬を集める醸造家フィリップ・カンビとのコラボレーションがスタートしたことである。パーカーが初めてフォン・クローズのワインを試飲した後には「多くのワイナリーが協同組合に卸すことをやめ、自身で瓶詰めをする傾向にある南仏において、この地を代表する一流のドメーヌがフォン・クローズである」とコメントを残し、その後のWA誌内でも「素晴らしい南仏のバーゲン・プライス・ワイン」と大絶賛。WS誌でも価格に対して並外れた品質を持つワインとして100 アウトスタンディング・バリューやトップ・バリューといった特集で取り上げられ、その後もデカンター誌やWE誌で取り上げられ、南仏のベストバリュー・ドメーヌとして不動の地位を確立している。
商品コード:10134E
サン・ロマン・ド・マルガルドにある海抜340m、北向きの畑。山の北側斜面で育つ最良のシラーをセレクト。樹齢は30年。粘土石灰質土壌。空気に触れさせるにつれて小さい黒系果実のコンポート、プルーン、ブラックベリーや砂糖漬けのチェリーなどのアロマが現れてくる。非常に存在感とストラクチャーのあるタンニンと心地よい酸を感じる。凝縮感のある黒系果実のフレーバーにはトースト香が溶け込み、非常に長い余韻へと続いていく。
商品コード:10133E
サン・ロマン・ド・マルガルドにある海抜150m、平地に広がる畑。樹齢は30-50年。粘土石灰質土壌。ブラックベリー、カシスに加えて胡椒やなめし革のニュアンスがある複雑なアロマ。柔らかく溶け込んだシルキーなタンニンがグルナッシュのフルーティーさ、シラーのスパイシーな要素と見事に調和している。心地良い余韻が広がる、非常にバランスの良いワイン。