レ・ヴェロワイユの区画。コンコール村の渓谷の涼しい斜面に位置するわずか0.6haのこの区画は、北斜面の涼しさを伴いながらも、非常に日当たりが良いという好条件に恵まれている。平均樹齢は60年だが80年の古木もある。フランボワーズ、ブラックベリー、バラ、リコリスにスーボワ、ポプリそして砕いた石など、非常に複雑だが全ての要素を感じることのできるピュアなアロマ。口に含むと素晴らしい甘み、特に赤系果実のフレーヴァーの凝縮感が印象的で、はっきりとした酸としなやかなタンニンが溶け込み、ミネラルとオレンジのニュアンスが次第に強まってくる。フィニッシュには緻密なタンニンが感じられ、驚くほど長い余韻が楽しめる。
初ヴィンテージ1995年。パワーとバランスの調和と厚みがあり豊富なテクスチャーとタンニンをもたらすクリュ・モスコーニから生まれたクレリコのフラッグシップ。クリュ・ジネストラのバローロよりもタンニン量が多くストラクチャーもしっかりとしているので、ワインに滑らかさを与えるため通常よりも長い熟成を経てリリースされる。バラの花や赤の果実を思わせる甘い香り。堂々たる味わいには偉大なバローロに必要な要素が全て詰まっている。畑の元の所有者クリスティーナに敬意を表し、また夭折した愛娘クリスティーナに捧げるキュヴェとしてこの名が付けられた。
0.48 haの東向きの区画。樹齢は平均60年。香ばしいモカの香りにレッドチェリー、ストロベリー、紅茶、バラの花びらのヒントを持つエレガントで上質なアロマ。シルキーでピュアな口当たりを持ち、伸びやかな果実の甘みが上質なタンニンとともに口いっぱいに広がる。非の打ちどころのない奥深さとボリューム感があり、後半にかけてより強くなるミネラルは複雑さを伴って美しい余韻につながる。ピノ・ノワールの集大成と呼んでも過言ではない別格のグランクリュ。
シャぺル・シャンベルタンの真上、クロドベーズの中でも中央やや北寄りの0.42haの区画。樹齢は平均65年。クランベリーとワイルドストロベリーの快活なアロマに心地よいオークのニュアンスが溶け込んでいる。口の中では初めにフルーツのコンフィのタッチを感じ、赤系果実ときらびやかな酸の見事な調和の後、焦点のハッキリと定まった塩味の強い余韻へとつながっていく。各要素のポテンシャルが非常に高く、長期熟成を期待させるドメーヌ最高傑作のひとつ。