サントネ、マランジェ、シャサーニュのコミューンにある複数の区画のブドウをブレンド。平均樹齢は45年だが、最も古いブドウは1950年代に植樹された。チェリーやプラムの心地よい香りを背景から支える仄かなオークのニュアンス。しなやかなアタックに続き、充実した甘味をともない果実が広がる。伸びやかな味わいをしっかりとしたタンニンが支えている。
東向きのこの畑は谷に近く、涼しい風が吹くためブドウがゆっくりと成熟する。様々な赤系ベリーの華やかなアロマ。香りと同じく表情豊かな味わいを彩る細かな酸。品よく大らかな女性的なマルサネ。
メニル、オジェをメインにアヴィーズからのブドウを使用。若いウォールナッツのフレーヴァー。アタックは生き生きとしており、口の中では固く直線的な酸による良い緊張感がある。グレープフルーツのニュアンスがあり、わずかな苦みが心地よい。シャープでありながらシルキーな長い余韻の上で、ミネラル感が長く続く。
もとは修道士が所有しクロ(壁)で囲まれたこの畑は、ラ・ポソニエール村の南向きの高地に位置し、昔から素晴らしいワインを生むことで知られていた。白い花やアプリコットの繊細で華やかなアロマが、力強くもしなやかなミネラルと絶妙なバランスを保つ。シュナン・ブランの完璧なフィネスを表現する一本。
平均樹齢は45年、様々なスレート土壌のブドウをブレンドして作られる。よく熟したリンゴのフレーバーとスレートに由来するスパイシーなアロマ。口に含むと果実の完熟感、ボリュームがありながらもデリケートなミネラルのおかげでエレガントさが両立している。ミディアム-フルボディーで、フィニッシュには爽やかな辛口フレーバーが残るしっかりしたストラクチャーのリースリング。若くても熟成しても美味しいため、飲み頃を選ばずにモーゼルの魅力が味わえる。
テーニッヒ村のリッチは古くからモーゼル川流域で最高の畑として格付けされていた。固いクォーツとブルースレート土壌に植わる樹齢約60年のブドウから造られる。完熟したリンゴにナッティーなニュアンスもとれる、非常に凝縮したアロマ。力強いフルボディのリースリングであり、奥深さ、密度、ミネラル感のどれをとっても非の打ち所がない。フィニッシュはほろ苦いタンニンと上質な酸が続いていく。モーゼルの神髄を知る素晴らしいグローセス・ゲヴェックス。
ミリー村にある南東向きの日当たりの良い畑。樹齢60~65年以上のブドウを使用。非常に痩せた岩の多い土壌で収量は少ないがミネラル豊かなワインとなる。熟したリンゴ、マーマレード、レモンピールのヒントがあり、直線的で大胆なアロマ。口に含むと干しブドウや蜂蜜といった甘さがあり、張りとまろやかさを同時に楽しめるシルキーなテクスチャーを持つ。驚くほどきれいなミネラルのフィニッシュ。
平均樹齢70年、0.16ha。ルロワのシャンベルタンの真隣に位置する東向きの一区画。黒系果実、野獣、スモーク、スパイスにはっきりとした土のニュアンスを感じさせ、絶妙なオークのタッチが包み込んでいる。しっかりとしたボディに豊富なタンニン、クリスピーな酸、そして何層にも重なる張りのある赤系果実を感じる。非常に堅牢なフィニッシュで驚くほど長い余韻につながっていく。大変シックで高級感のあるドメーヌの宝石ともいえるワイン。