カゼルの南にある3.1haの畑。標高は220mで南向きの粘土石灰質土壌。石灰岩の比率が非常に高く、畑は一面真っ白。全品種で古樹を使用するが、とりわけカリニャンは1904年から再植樹していない。ブラックベリー、砕けた岩石、土っぽさ、ミネラルを豊かに感じるアロマ。古樹に由来する複雑味・凝縮感と完熟したタンニンが驚くほどシルキーな口当たりを作り、そこにテロワール由来のミネラルが張りをもたらすことで黒果実のニュアンスと幾重にもわたって層を成していく。まさに南の太陽と、地中深くからエネルギーを与えてくれる土壌との魔法のコンビネーションであり、ミネルヴォアのグラン・クリュと呼ぶにふさわしいワイン。
サン・トーバンの南部、シャサーニュやピュリニーに隣接するわずか0.27haの畑。樹齢は27年。やや控えめだがソフトでエキゾチックなノーズは、シトラス、白桃、アカシアの花にスパイスのニュアンスが溶け込む気品あるアロマ。撫でるように優しい口当たりで、よりクリアなミネラルを感じるフレーバーが心地よく広がる。複雑さにバランスが伴うことで美しく見事な余韻につながっていく。
へーアクレッツの名はジーファースハイム村南部にある火山活動でできた急こう配の崖を表している。所有する中では最高の畑(GG)で、ブドウの樹齢は15-36年。シトラスフルーツ、ハーブ、スパイスに白い花のアロマ。塩味が効いたスパイシーなノートで始まり、砂糖漬けのジンジャーやマンダリンの皮にきめ細かいミネラルと美しい酸が折り重なる。重厚感のあるフィニッシュと素晴らしく表現力に富んだ余韻は偉大なポテンシャルを感じさせる。
ランゲンロイス村の北西にある0.9ha。標高230-315m、南東向き、ロス土壌に角閃岩が混じるプルミエ・クリュ級の畑。樹齢は平均46年。誘うような芳醇なアロマ、クリーミーでヴェルヴェットのようなスタイル。ビスケットや砂糖漬けのフルーツ、焼いたリンゴに上質なスパイス、黒こしょう、ナッツのニュアンス。口の中ではエレガントだが熟した果実味が楽しめ、甘くスムースなテクスチャーを持つ。非常にバランスの良いアフター。
モーゼルにおいて古くから「最上の区画」と名を馳せていた銘醸区画。樹齢約70年。レッドスレート主体の土壌はワインにハーブやスパイスのノートを与える。グレープフルーツやライムのクリアーなアロマに赤果実のヒント。凝縮感のある柑橘果実に石を思わせるミネラルが染み入り、素晴らしい深みを感じさせる。
野イチゴ、カシス、チェリーのジューシーなアロマに、清涼感ある柑橘果実のニュアンス。穏やかなタンニンとミネラルが心地よく調和しており、フィニッシュにはアーモンドのヒントが感じられる。
構想から6年を経てようやくリリースされたワイナリー初となる単一畑のブルネッロ。所有する中で最も古い畑で、植樹は1965年。ワイルド・ベリー、カシス、ドライハーブのアロマに、スパイスやスモークの繊細なニュアンスが溶け込み、しなやかでありながらも複雑。骨格のあるタンニン、傑出した凝縮感も同時に感じられる。この区画ならではのエレガンス、鮮やかさが魅力的に表現されたアルジャーノ渾身の一本。