テーニッヒ村のリッチは古くからモーゼル川流域で最高の畑として格付けされていた。固いクォーツとブルースレート土壌に植わる樹齢約60年のブドウから造られる。完熟したリンゴにナッティーなニュアンスもとれる、非常に凝縮したアロマ。力強いフルボディのリースリングであり、奥深さ、密度、ミネラル感のどれをとっても非の打ち所がない。フィニッシュはほろ苦いタンニンと上質な酸が続いていく。モーゼルの神髄を知る素晴らしいグローセス・ゲヴェックス。
ミリー村にある南東向きの日当たりの良い畑。樹齢60~65年以上のブドウを使用。非常に痩せた岩の多い土壌で収量は少ないがミネラル豊かなワインとなる。熟したリンゴ、マーマレード、レモンピールのヒントがあり、直線的で大胆なアロマ。口に含むと干しブドウや蜂蜜といった甘さがあり、張りとまろやかさを同時に楽しめるシルキーなテクスチャーを持つ。驚くほどきれいなミネラルのフィニッシュ。
平均樹齢70年、0.16ha。ルロワのシャンベルタンの真隣に位置する東向きの一区画。黒系果実、野獣、スモーク、スパイスにはっきりとした土のニュアンスを感じさせ、絶妙なオークのタッチが包み込んでいる。しっかりとしたボディに豊富なタンニン、クリスピーな酸、そして何層にも重なる張りのある赤系果実を感じる。非常に堅牢なフィニッシュで驚くほど長い余韻につながっていく。大変シックで高級感のあるドメーヌの宝石ともいえるワイン。
ローダイ西部の自社畑のブドウと近隣の契約農家のブドウ、樹齢は平均5-30年。砂質ローム。ブラックベリー、レザー、ダーク・ココアや熟したイチジクの豊かで複雑なフレーバーが、燻製肉やブランデー、タバコのニュアンスと溶け込んでいる。心地よい酸が全体のバランスを支えており、フルボディで熟したタンニンを楽しめる。現在6代目マイケルの息子であるケヴィンが初めてマネージャーを務めた畑の一つ。
オーバーロートヴァイル村を代表するGGで、ドイツで最も暖かい畑の一つ。色の濃い火山性土壌に植わるシュペートブルグンダーの半数が1994年植樹のアルマン・ルソーのクローンで、残り半分がドイツのクローン。樹齢は平均30年。熟した赤系・黒系果実のピュアでスパイシーな力強いアロマ。口当たりは非常にエレガントであるが、パワフルで濃厚な果実味を持ち、きめ細かいタンニンと素晴らしい張りを兼ね揃えている。奥深さがあり余韻が長く複雑。バーデンを代表するシュペートブルグンダー。
畑は3.2haで4区画(モラール、ヴィアレール、ラ・ブロッス、ラ・ランドンヌ)のブレンド。樹齢は平均30年。モラールはシスト、その他はマイカ・シストの土壌。素晴らしくピュアなカシス、ブラックラズベリーにスミレやウッドスモーク、グリーンオリーヴのアロマ。ベルベットのようなまろやかな口当たりで、肉付きの良い果実味と心地よいタンニンが絶妙に溶け込み素晴らしいテクスチャーを生み出している。調和のとれた長い余韻が楽しめる。
アハライテンよりもさらに北東に位置する標高300m、南東向きの区画。1950年代植樹のブドウが植わる、グナイス(片麻岩)主体の土壌。リンゴやグリーンハーブ、火打石のニュアンスを持つアロマ。力強い凝縮感がありながらも焦点がはっきりと定まっており冷涼さを感じさせる。口に含むと濃密でジューシーで溢れるほどの塩味があり、上品な酸と非常にきめの細かいミネラルが余韻までしっかりと続く。長期熟成のポテンシャルを存分に秘めたヴァッハウ・リースリング至高の一本。