通常古樹と呼ばれる樹齢(40-50年以上)の約3倍を生き抜いた、1870年代に植樹されたプレ・フィロキセラの単一畑により、トロの真髄そのものを体現したトップキュヴェ。黒果実、アジア系スパイス、ミネラルがぎっしり詰まった香り。凝縮感の塊のような果実は驚くほどキメ細かく、長く甘いフィニッシュには驚くほどのグリップ。別次元の密度と深みを備えた味わいには、うねるようなエネルギーの奔流すら感じられるモンスターワイン。
エトナの著名生産者の畑の多くが位置するランダッツォとカスティリオーネ・ディ・シチリアの標高750-800m地点の畑の土着ブドウを混植・混醸。香り高く、しなやかな果実はジューシーで甘く、赤いフルーツとエキスがたっぷりと感じられる。品のある酸、細かなタンニンともにバランスが素晴らしく、非常にピュアで美しいスタイル。ピノやネッビオーロ的なネレッロの特徴が類稀なるテロワールにより引き出されたエトナを代表するワインである。
フレッシュな果実や青いハーブとともに、フィアーノらしいアカシアの蜜やほのかなナッツの香りが豊かに広がる。甘く優しい果実を溌剌とした酸が支え、土壌由来のミネラルがくっきりとした輪郭を描く緊張感のある味わいである。余韻は長く、ほろ苦さが心地よい。ラピオのテロワール、そしてフィアーノの特性を完璧に表現した1本。
チェザネーゼのエレガンスをより追求するため、コンクリートタンクで熟成。樽とステンレスの中間くらいの酸化熟成が期待できるコンクリートタンクを使うことで、柔らかいタンニンを引き出す。野生の赤いベリーやチェリー、オレンジピールのフローラルな香りに、地中海のハーブの香味やオリエンタルなスパイスが仄かに感じられる。甘くエレガントな口当たりに続くのは、ジューシーで瑞々しい赤い果実。各要素の緻密なハーモニーが素晴らしく、チェザネーゼの芳醇な魅力が優しくピュアに表現されている。
ベルデホ由来のフレッシュハーブや黄色い果実のメリハリのあるキャラクターに、ビウラからのリンゴや白い花を思わせる清楚なニュアンス。ワイン全体からフレッシュでクリーンな香りが漂う。透明感ある果実は熟していながら余分な肉付けはなく、溌剌とした酸とあいまった軽やかさが快い飲み心地を誘う。フィニッシュはレモンシャーベットのような爽やかさ。
30ヵ月の大樽熟成を得てリリースされる。ダークレッドチェリー、すみれ、火打石、リコリス、そして下草などの濃厚で複雑なアロマ。果実のボリューム感、ジューシー感で口内が満たされ、そこにダークレッドチェリー、タール、リコリスの何層にも重なるフレーヴァーを感じる。ヴェルヴェットのように滑らかでありながらエネルギーに満ちあふれている。まさに世界最高峰のカルト・ブルネッロといえる。
クアート最高のクリュのひとつと評されるヴィーニュ・ロヴェッタは、グロジャンが復活させた畑。海抜550mにあり、通気性が良い。涼しい気候と砂と石灰から成る土壌は、スイスからもたらされた砂地の畑を好む晩熟の品種、プティット・アルヴィーヌに最適のテロワール。黄色い花や甘いオレンジ、アプリコット、洋ナシを思わせるフローラルな香り。肉厚な果実と緊張感ある酸のバランスが秀逸で、エネルギーとフレッシュさに溢れている。香り高さと濃密さというこの品種の美点とテロワールをよく表現していると、専門各誌でも評価が高い。