既にブルゴーニュトップ生産者として認められたクオリティ。ブドウの品質を最大限追求するカリヨン家のフィロソフィを継承。シャルドネの厳格さとフィネスを備えたピュアで親密なキャラクター。
既にブルゴーニュトップ生産者として認められたクオリティ。ブドウの品質を最大限追求するカリヨン家のフィロソフィを継承。シャルドネの厳格さとフィネスを備えたピュアで親密なキャラクター。
彼の風貌は、まさに昔ながらの職人を彷彿とさせる。物静かな性格ではあるが、とても実直で内に秘めたヴィニュロンとしての強い信念が伝わってくる人柄。ヴィニュロンとしてのキャリアは、1988年に父のドメーヌであるルイ・カリヨンにてスタート。フランソワは、当時から畑仕事・収穫・醸造などの現場経験を積み重ね、カリヨン家の伝統を祖父や父から受け継いできた。フランソワのワイン造りは現在でも、「畑がワインのクオリティを造る」というカリヨン家のフィロフィーを非常に大事にしている。現在、父から受け継がれた由緒正しき畑に加え、畑仕事に並々ならぬ情熱を注ぐフランソワが厳選し、手に入れた畑からもワインを手掛けている。彼のワインは、どれも偉大なピュリニーという地で生まれるシャルドネの厳格さとフィネスを備え、ピュアで親密なキャラクターが魅力である。2014年には”La Revue du Vin de France”にて、コント・ラフォンやルロワなどと共に、ブルゴーニュで最も偉大な50ドメーヌに選出され、今後注目のドメーヌとして期待される新たなカリヨンである。
ヴィニュロンとして1520年のジャン・カリヨンまで遡ることができるピュリニー・モンラッシェを代表する、カリヨン家。先代のルイ・カリヨンは、コント・ラフォンやルフレーヴと同じくクライヴ・コーツから最高評価の3ツ星で称えられる偉大な白の造り手である。近年、16代目となるジャックとフランソワ・カリヨン兄弟がそれぞれ醸造と栽培を担っていたが、父親のルイの引退を期に所有畑が分割されることになった。そして2010年、フランソワは兄のジャックが継いだドメーヌから独立した。こうして誕生したカリヨン家の新たな醸造所がフランソワ・カリヨンである。
フランソワは、先代のルイからピュリニーが誇るプルミエ・クリュ「ペリエール、シャンガン、コンベット」などを含む合計5.4haの優れた畑を受け継ぎ、さらに新しい畑も積極的に入手している。現在のブルゴーニュで良い畑を手に入れる事は極めて困難な状況であるが、カリヨン家がこれまで地元で培ってきたヴィニュロンとの厚い信頼と強いネットワークを築いてきたからこそ、僅か数年で14haにまで拡大することができた。ルイ・カリヨン時代より、技術・栽培責任者として経験を積み重ねてきたフランソワ。「畑がワインのクオリティを造る」というワイン造りへのモットーにより、ルイ・カリヨン時代のクオリティを一貫して保っている。ブドウ栽培にはビオロジックを採用。1992年から除草剤は使わず、馬やトラクターを用いて畑の土を耕し、剪定や芽かきによる収量制限は平均40hl/haと厳しく、植樹密度は10,000本/haと高い。ルイ・カリヨンのクオリティを支えてきた祖父仕込みの職人気質の畑の手入れは、様々な生産者を見てきたワイン・アドヴォケイト誌の評論家ですら「すっかり圧倒された」とコメントするほど徹底されている。
細部にこだわるブドウ栽培の一方、醸造については「ブルゴーニュの伝統の手法」と多くを語らない。手作業で丁寧に収穫された後、セラーに運ばれたブドウはステンレスタンクにて8度で冷却され、年にもよるが比較的長くデブルバージュを行う。畑の格付けに関わらずどのワインの発酵・熟成にもアリエ産やトロンセ産の焼きが軽めのフレンチオークのバリックを用いて、自然酵母のみで発酵させ、常にマロラクティック発酵を行っている。新樽率は区画によって異なるが、使用頻度は最低限に抑えられている。ワイン造りはルイ・カリヨン時代と変わりがないというものの、父のドメーヌでは瓶詰めは3月と決まっていたが、フランソワはワインの熟成状態を見て瓶詰め時期を決めている。また、先代の頃よりも少し熟度を高めて収穫を行い、醸造中のSO2の添加も減らしている。これらの微細な調整を重ねて造られたフランソワ・カリヨンのワインは、非常にピュアでより早くから楽しめ、その上見事な熟成のポテンシャルも備えている。フランソワが初めて栽培から醸造まで一貫して手掛けた2010ヴィンテージは既に評論家から高い評価を受けており、ブルゴーニュの名門から現れたこの経験豊かな『新星』がブルゴーニュの偉大な白の新たな歴史を造ることに疑いの余地はない。
ピュリニー村にある区画のブドウを使用した贅沢なドメーヌの入門ワイン。ナシやアプリコット、白い花を思わせる凝縮した瑞々しい果実。このクラスでは考えられないくらいゴージャスかつ品格に溢れる味わいに、数世紀に渡ってピュリニーに根差すカリヨン家の力量が感じられる。
ピュリニー村にある3つの区画から造られる。ブドウの樹齢は50年超。心地よいスパイスの効いたリンゴ、シトラス、フレッシュな果実の表現力豊かなアロマ。素晴らしい密度とミネラル感のあるフレーバーに洗練されたテクスチャーを感じる。生き生きとした長い余韻につながっていく。驚くほど高品質なアリゴテ。
サン・トーバンに続くシャサーニュの北側斜面に位置し、村の集落と1級畑シュヌヴォットの挟まれたプルミエクリュ。黄色い柑橘類や黄桃などのリッチで滑らかな果実に心地よいトースト香。細かな酸・ミネラルがちりばめられた柔らかな味わいが心地よい。
サン・トーバンとの境界に近い斜面上部に位置するプルミエクリュ。洋ナシなど柔らかな白い果実にミントのヒント。ジューシーな果実をたたえた味わいには軽いミネラル感が感じられる。2004年植樹の若樹とは思えない充実感。中盤以降の凝縮感とディティールも申し分ない。
ワイナリーの後ろに位置する南向きの区画とさらに南西に位置するクショワの区画から造られる。ブドウの樹齢は30年。軽快でフレッシュな赤系・黒系ベリーのアロマがかすかな土のニュアンスを引き立てている。口の中ではジューシーなフレーバーが心地よい刺激となり、穏やかで優しいフィニッシュへと続いていく。
ルイ・カリヨンから受け継いだ赤のプルミエクリュ。シャサーニュ・モンラッシェのコミューンに隣接する区画のため、シャサーニュ的な優美さを備えている。チェリーやラズベリー、赤いプラムの芳しいアロマにほのかなスモークのヒント。瑞々しい果実に満ちたピュアでエレガントなスタイル。
2016年シャサーニュは霜の被害がとりわけ大きく、プルミエ・クリュのブドウは全てヴィラージュにブレンド。松脂やぺトロールなど微かに還元を感じさせるニュアンスに柑橘系の皮の刺激的なアロマ。非常にリッチでジューシーなフレーバーに素晴らしい密度とエネルギーが感じられ、ビターなレモンを思わせるフィニッシュへと続く。
モンラッシェとシュヴァリエ・モンラッシェを見下ろすように位置するサン・トーバンの優良畑。白い花、洋ナシ、オレンジのピュアなアロマに蜂蜜やシナモン、火打石のヒント。しっかりとした密度のあるボディはパワフルなミネラルを兼ね備える。フィニッシュにはキレがあり、非常に長い余韻が楽しめる。
ピュリニーの複数の区画のブドウが織りなす美しきヴィラージュ。黄色い果実や花が溢れる生き生きとした香り。力強い果実と確かな酸が織りなす肉感的な味わい。クリーンな果実や塩っぽさのあるミネラルがクリーミーなフィニッシュに溶け込んでいる。
通常の村名ピュリニーが複数区画のブレンドであるのに対し、このキュヴェは0.7haのモノポールかつ樹齢も最高60年と高い。また比較的肥沃で粘土が厚い土壌のため、よりリッチで力強い味わいとなる。レモンやリンゴ、白い花にわずかな新樽のニュアンスを感じるクラシックなアロマ。口に含むとしっかりとした張りと果実の凝縮感に満ちていて、素晴らしい奥深さ、ミネラルとエネルギーを感じる。