由緒あるヴィグルー家4代目当主、ベルトラン・ガブリエル氏自らアルゼンチンへ赴き、「フレンチマルベック」の確固たる地位を築き上げたパイオニア的ワイナリー。
由緒あるヴィグルー家4代目当主、ベルトラン・ガブリエル氏自らアルゼンチンへ赴き、「フレンチマルベック」の確固たる地位を築き上げたパイオニア的ワイナリー。
カオールといえば「黒ワイン」と呼ばれる程に色が濃く、強くて粗いタンニンを持った昔ながらのあか抜けない味わいを思い浮かべる人が多いかもしれない。そういったワインも未だ存在はするが、最新の醸造技術を取り入れることにより、力強くも滑らかなタンニンと濃厚な果実味が心地よくエレガントさと同居する“新しいカオール”を生み出す生産者が現れている。
この“新しいカオール”を生み出す意欲的な生産者の筆頭が、ファミーユ・ヴィグルーの4代目にあたる現当主ベルトラン・ガブリエル・ヴィグルー氏である。ファミーユ・ヴィグルーは1925年に設⽴された。カオールがAOCに認定された1971年当時、総栽培⾯積はガロンヌ川⽀流のロット川流域に440haのみであったが、現在は約4300haまで拡大している。現当主の父にあたるジョルジュ・ヴィグルー⽒は、フィロキセラによって壊滅状態となり放置され、荒れ果てていた畑の再植に尽⼒し、この地のマルベック復興を率先して⾏う中⼼⼈物として大きな貢献を果たした。偉大な父を持つ後継者ベルトラン・ガブリエル・ヴィグルー氏は更なる発展をこの地にもたらすべく、2000年にアルゼンチンのメンドーサへ研究に向かった。この地のマルベックは世界市場で大きな成功を収めていた。同じ品種を使って遅れて頭角を現した産地の生産者から積極的に学びを得る貪欲さと素直さは彼の大きな強みであった。その後自国へ戻った彼は、フレンチマルベックならではのポテンシャルを最大限に引き出し、アルゼンチンマルベックとはまた異なる世界最高のマルベックを造るために、飽くなき挑戦を続けている。
「カオールはマルベックの生まれ故郷」という彼はこの地のテロワールへの信頼に満ち溢れている。また「世界を席巻するアルゼンチンマルベックの畑は灌漑が不可欠だが、カオールでは灌漑を行わない為に根が深く張り、より複雑で深みのある味わいを生み出すことができる。カオールはアルゼンチンマルベックよりもドライで、残糖が少なく、抽出も少なく、フルーツボムのようなスタイルではない。全く別のスタイルだと考えている。」と力強く語る。所有するシャトーにはレストランと宿泊施設を併設。実際に自分たちのワインを料理と共に提供しているからこそ、ガストロノミーの現場で使いやすい絶妙な味わいを生み出すことができる。
長期マセラシオン、ポンピングオーバー、12ヶ月の樽熟成といった伝統的な醸造方法を引き続き採用するなど、代々蓄積されたノウハウを活かすと同時に、常に世界最⾼峰のマルベックを造ることを第⼀信条とし、そのために取り入れるべきものを取り入れる柔軟さが”新しいカオール”を牽引する存在たる所以である。時代に合わせた設備投資を⾏い醸造技術を上げつつ、クラシックなカオールの複雑さとエレガンスといった良い⾯を残しながらワイン造りに取組むファミーユ・ヴィグルーは、今後もマルベック界のパイオニア的な存在として、確実に注目するべき生産者である。
商品コード:11366E
1965年~1975年植樹。色調は赤みがかった濃い色調。カシスやバニラのフレーバが漂い、豊かなボディと力強いタンニンが楽しめる。 マルベックの比率が高く、古典的なカオールの特徴をすべて備えている。
商品コード:11367E
CahorsのMalbecにとって最良の樹齢である30年の樹のブドウを使用。非常に濃い、ほとんど黒に近い色調。バニラ、力強い熟したブラックフルーツのアロマ、そしてスミレのヒント。印象的なタンニンは口に含んだ瞬間からソフトでエレガント。黒い果実とスパイシーなアロマが引き立ち、果てしない余韻へと導く官能的なワイン。