ブルゴーニュ屈指の白ワイン銘醸地、シャサーニュ・モンラッシェ。この地で1820年代から6世代にもわたりワイン造りを続ける名門がドメーヌ・ヴァンサン・エ・フランソワ・ジュアールである。彼らが所有する11ヘクタールの畑は、すべてがシャサーニュ・モンラッシェ村内に位置しており、まさにこの土地のテロワールを表現することにすべてを捧げた、同村でも数少ないドメーヌだ。1990年からは5代目となるヴァンサンとフランソワの兄弟がドメーヌを継承。ヴァンサンが栽培を、フランソワが醸造を担当し、それぞれの専門性を活かしながら家族の伝統を守り続けている。


シャサーニュ・モンラッシェの優れたテロワールを最大限に引き出すため、彼らはオーガニックに即した栽培を実践している。化学除草剤の使用を避けるための丁寧な耕起を行い、病害対策には必要最小限の農薬のみを使用するリュット・レゾネを採用。その真摯な取り組みが続けられる畑で特筆すべきは、所有するブドウ樹の平均樹齢が約50年に達することだ。地中深くまで根を張った古樹は、小粒で凝縮感に富んだ果実を生み出し、ワインに深みと複雑さをもたらす。その誇りは、すべてのワインのラベルに記された「古樹」を意味する「Vieilles Vignes」の文字にも表れている。
収穫されたブドウはセラーで丁寧に選果され、伝統的な手法に沿って醸造される。自然酵母による発酵をフレンチオーク樽で行い、新樽も一部使用。マロラクティック発酵を経て熟成され、清澄や濾過は最小限に抑えられる。実直なワイン造りの裏で、彼らが最も徹底しているのが「妥協なき選別」だ。ドメーヌ名でリリースされるのは、自らが納得した樽のみ。基準に達しないワインは一切自社ブランドでは販売せず、ネゴシアンへ売却している。品質を最優先する姿勢を貫いており、現時点では生産量の約50%を手放している。畑から瓶詰めまで一切妥協せず、最後に最高の樽だけを選び抜く。その揺るぎない信念こそが、ジュアールのワインに特別な価値を与えている。


誰もが憧れる白ワインの聖地、シャサーニュ・モンラッシェ。この偉大な地で長年にわたり丁寧な栽培と醸造を続けてきたジュアールの品質と歴史は、世界最高峰の舞台でも証明されている。2026年3月、イギリスのチャールズ国王夫妻がナイジェリア大統領夫妻を迎えて開催した格式高い宮中晩餐会において、ジュアールの2022 Batard Montrachet Vieilles Vignesが提供された。世界の要人をもてなす特別な席で選ばれたことは、彼らが築き上げてきた歴史と卓越した品質への高い評価の証である。今後もシャサーニュ・モンラッシェの魅力を伝える生産者として、その歩みに注目したい。

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