国際市場で人気を巻き起こし、世界中で引っ張りだこだが、各国アロケーションが少なく、欲しくても買えない人続出という状況が続いている。今後の進化にますます目が離せない、要注目の生産者。
国際市場で人気を巻き起こし、世界中で引っ張りだこだが、各国アロケーションが少なく、欲しくても買えない人続出という状況が続いている。今後の進化にますます目が離せない、要注目の生産者。
コンドリュー村にワイナリーを構えるグザヴィエ・ジェラールは1980年にピエール・ジェラールによって設立された小さな家族経営のドメーヌである。2013年よりピエールの息子グザヴィエが二代目当主として指揮を執っているが、ドメーヌに参画したのは2004年から。オフシーズン毎に世界中のワイナリーを周って研鑽を積んだ彼は、オーストラリア、ニュージーランド、カリフォルニア、南アではかの有名はブーケンハーツでアシスタントワインメーカーを務め、一方国内でもアルザス、ブルゴーニュと各地で修業した。 約10年に及ぶ他ワイナリーでの経験を経て、満を持して2013VTのコート・ロティを初リリースするや否や、ワイン・アドヴォケイト誌で「傑出したワインを作る若い作り手」と称賛され、その後2015VTのコート・ロティでは、同誌から「ドメーヌ史上最も洗練されている」、デカンター誌の北ローヌパネルテイスティング(マスター・ソムリエやマスター・オブ・ワインがブラインドで行う)で最高得点のうちの一つである97点をたたき出した。これ以降、国際市場での人気に火が付き世界中で引っ張りだこ、各国アロケーションが少なく、欲しくても買えない人続出という状況が続いているライジングスターである。
父親から受け継いだ畑は7.8haでコンドリューとコートロティ、サン・ジョセフに広がる。コート・ロティにはランドンヌやフォンジャンなど珠玉の区画を含んでおり、これらは北ローヌで最も高額かつ人気の高いギガルやジャメのコート・ロティのバックボーンを作っている区画で、仮にこれがブルゴーニュだったらまず間違いなくグランクリュに相当する。そんな区画をグザヴィエはコート・ロティーとして遥かに手ごろな価格でリリースしているのだから、引く手あまたになるのはごく当たり前の流れである。 畑はリュット・レゾネで栽培、機械耕作ができない程傾斜が急なため全て手作業で行われる。白では大樽、赤ではステンレスタンクを使用してアルコール発酵、マロラクティック発酵を行いキュヴェ毎にバリック、デゥミ・ミュイ、フードルなど樽のサイズを変えて熟成させる。テロワールとヴィンテージの個性を反映したワインを意図し、ブドウ一つ一つのポテンシャルを最大に発揮させる彼のワインはピュアな果実と美しい酸、はっきりとしたミネラルが見事なバランスで支えあっている。
「2013年から指揮を執るグザヴィエのワインはますます力をつけている」とデカンター誌から評価を受け、ジャンシス・ロビンソンからは「将来有望の若手で、見逃してはいけない」とポテンシャルの高さを証明。北ローヌのライジングスターであるグザヴィエ・ジェラール。2013年のファーストリリース以降、世界市場で人気を巻き起こし、愛好家をうならせるワインを世に送り出している。今後の進化にますます目が離せない、要注目の生産者である。
畑は0.7haで3区画のブレンド。樹齢は平均30年。黄桃やアプリコット、ライチのアロマに蜂蜜やローストしたスパイスが溶け込んでいる。果実の瑞々しさをフレッシュな酸と張りのあるミネラルが引き立てており、バランスの取れたボディはジューシーなフィニッシュへと続いていく。