ゲヴュルツトラミネールの気品を表現するアルザス最上の畑『キルシュベルグ・ド・バール・クロ・ゲンズブロネッル』を所有する数少ない生産者。
ゲヴュルツトラミネールの気品を表現するアルザス最上の畑『キルシュベルグ・ド・バール・クロ・ゲンズブロネッル』を所有する数少ない生産者。
ゲヴュルツトラミネールは、過剰に華美な香りの甘い味のワインでもなければ、自己主張が強すぎて料理に合わないワインでもない。そのような誤解を払拭してくれるのが、知る人ぞ知るゲヴュルツトラミネール最上のテロワールのひとつ、キルシュベルクである。ゲヴュルツトラミネールは、暑い場所に植えるとアルコールが高すぎたり甘さが目立つワインになる。非石灰系の土壌に植えると酸に締まりと伸びがなくなり、ミネラル感に不足しがちになる。つまりゲヴュルツトラミネールという強い個性をもった品種から、バランスがよくミネラリーなワインを生み出すためには、涼しい場所の石灰系土壌が必須。さらに軽快な上品さを望むなら軽い土壌が向く。そしてそれこそが、キルシュベルクなのだ。北部アルザスならではの冷涼気候。それにもかかわらず、遮るものが何もない南東向きの斜面は日照に恵まれている。ジュラ紀中期の石灰泥灰質土壌は比較的軽く、水はけがよい。中でも斜面下部の一画、クロ・ゲンスブロネッルは、古くから名高い真のグランクリュだ。土は軽いにもかかわらず深く、地下水脈の影響から適度な涼しさと湿度が保たれ、ワインにゆとりある立体感、ストレスを感じさせない滑らかさ、抜けのよい気品を与える。
180年以上にわたってバール村でワイン造りに携わってきたヘリングは、この特別な区画を所有するひとり。5代目のジャン・ダニエル・ヘリングは、優れた畑のテロワールをより明確に表現するため、1999年に除草剤の使用を中止。土中の微生物の活性化とブドウの自己免疫力の強化するために有機農法で栽培し、ブドウが土壌のミネラルを完璧に表現できる環境を整えている。また、ブドウとテロワールの間にあるつながりを途切れさせないように、醸造においては自然酵母を用いて発酵させ、SO2の添加も控えている。テロワールを追求する彼の作品の中では、1998年にアルザス伝統の混植を復活させたローゼンエーゲルトも見逃せない。キルシュベルクと同じ斜面の頂上にある区画で、標高が370-400mと高いことに加え、森に近接しているため、南から南西向き斜面であってもブドウが焼けたりフルーティな香りが損なわれるほど気温が上がることはない。そのため、ブドウが熟すのが遅くいつも最後に収穫が行われるが、最大限のミネラル感とフレッシュさを備えたブドウが得られるという。この涼しい畑のキャラクターを引き出すため、晩熟な品種であるリースリングを主体にピノ・グリ、ゲヴュルツトラミネールなど、合計5種類のブドウを混植混醸。品種の個性を超えた偉大なテロワールの個性を存分に堪能できるワインである。
商品コード:08103E
キルシュベルクの丘の頂上にあり、土が薄い石灰泥灰質土壌と涼しい気候が特徴の晩熟のテロワール。リースリングが凛とした酸の強さと香り高さを、ピノ・グリがボディを、ゲヴュルツトラミネールがミネラリーかつスパイシーなタッチを、ミュスカがフルーティさを、ピノ・ブランがバランスをもたらす。多面的なキャラクターで料理との相性が幅広い辛口。
商品コード:08101E
『ガチョウの泉』という名の区画名は、かつて地下の水脈から湧き出た泉にガチョウが集まったことに由来。収量を35-40hl/haに抑えた僅か0.5haの畑から生まれる。ゲヴュルツトラミネールが本来備えるフローラルな気品を十全に表現し、ミネラリーな骨格をも備える『真のグランクリュ』。