歴史や名声にはこだわらず、今飲んで美味しいワインを造ることを信条にしているそのスタイルで最高の飲み心地を持つワインを生み出し続けている。
歴史や名声にはこだわらず、今飲んで美味しいワインを造ることを信条にしているそのスタイルで最高の飲み心地を持つワインを生み出し続けている。
バローロの生産エリアの中で中央部西に拡がり最も優美さを持つバローロを生み出すとされるラ・モッラ村、その中でさらに最も西端に位置するクリュ・ベッリの畑を現当主のニコラ・オベルトとその父フェデリコ、そしてその友人であるウラディミーロが2007年に購入し立ち上げたワイナリーがこのトレディベッリである。フェデリコは1970年からあの名門レナート・ラッティにてセラーマスターという要職を30年強勤め上げたという経験豊富な人物で、2005年に退職し一度はワイン造りから離れたもののやはりワイン造りへの愛が忘れられず自らワイナリーを起こしたという筋金入りのワインラヴァーであり職人である。オーナー兼醸造責任者である息子ニコラはそんな偉大な父から幼いころよりワイン造りの多くを学んでおり、素晴らしいワインを作るべく日々畑とワインに向き合っている。そしてそんな親子と同じくワインに熱い情熱を捧げている友人ウラディミーロは、もともと銀行の取締役だったため現在のワイナリーの財務管理におけるコンパス的役割を果たしている。この3人の情熱と絶妙なコンビネーションこそがワイナリーの支柱となっており、それはまさにトレディベッリ(ベッリの畑の3人、の意)というワイナリー名にもしっかりと表されている。
彼らは語る。「私たちはワインを飲むことが大好きです。ですから、すぐに飲み干せるワインは私たちにとって最大の評価となります」。彼らの意味する飲みやすさとは決してシンプルとは同義でなく、バランスが取れていることだ。他のワインよりも早く飲み終わるような魅力を持つワインは常に最もバランスが取れたワインであり、すべての構成要素が完璧な調和を持っている。そのバランスを実現するために一定の醸造手法を持たないのは彼らの大きな特徴だと言えるだろう。通常はコンクリートタンクで醸造するが、ヴィンテージの気候や品種、畑によっては木製やステンレス製のタンクを使用することもあり、マセラシオンの時間や熟成期間も一定にはしていない。栽培面においては毎年エンドウ豆をはじめとする様々な植物の種を土壌に植えるなど、畑における生物多様性のバランスにも気を配っている。そしてワイン造りのすべての工程において自社の従業員だけで作業を行い、外部のスタッフは一切雇わないというこだわりも持っている。すべては彼らが理想とする最もバランスの取れた最高の飲み心地を持つワインを作るためであり、その考え方はベッリの畑ではもちろんだが、オベルト家が代々所有してきたというバローロ最高の畑の一つに数えられるロッケ・デッランヌンツィアータにも適用されている。
彼らにとって大切なのはワイナリーの歴史や名声ではなく、ただ目の前のワインが美味しくあること、そしてその喜びを分かち合えることである。「私たちには後ろ足で立つ馬やはためく旗印を描いた先祖代々の紋章はありません。私たちには歴史はなく、ただそれでいいのです。私たちはワインを通じて現在を語ることが好きなのです」。彼らの純粋な情熱が今後のさらなる進化を予期させる、目の離せない生産者である。
商品コード:11467E
ワイナリーの隣にあるトリリオーネの畑とロエロからのブドウを使用。ジューシーな赤系果実がはじけたような、ピュアでフレッシュなアロマ。樽での熟成をしていない分、バルベーラ特有の果実の豊かさと張りのある酸が前面に出ているが、飲み心地は非常にスムースで滑らかさを感じさせるほど。バルベーラという品種のポテンシャルを、ピュアに表現した一本。
商品コード:11466E
ラ・モッラの畑からのブドウをメインに使用。樽での熟成を経ないため、赤系果実やスミレの明るく華やかなアロマがクリーンに感じられる。フレッシュでフルーティな果実が口いっぱいに広がるミディアムボディだが、決して単調ではなく複雑味も兼ね備えている。アフターにはきめの細かなタンニンが美しく縁取り、エレガントなフィニッシュへと続いていく。ネッビオーロのピュアな美しさを堪能できるキュヴェ。
商品コード:11541E
ラ・モッラ村の西端に位置するクリュであり、川に近いため小石、石灰岩に砂岩が混じる土壌で、日当たりは良いが川からの冷たい空気で気温上昇は抑えられる。特徴的な土壌と豊富な日射量、そして冷気の組み合わせにより、非常に華やかかつ表情豊かでありながらタンニンの主張が強い味わいとなる。
商品コード:11542E
ラ・モッラ村の中で最も歴史そして権威ある畑のひとつであり、この村を特徴づける香り・エレガンス・飲み心地を最も高いレベルで表現しているトップキュヴェ。オベルト家は代々、植樹タイミングの異なる3つの区画を合計1.3ヘクタール所有している。繊細で、花やスパイスのアロマがメインの非常にエレガントなバローロとなる。