クレマン・ド・ブルゴーニュの最高の生産者の1つとして認められることを目標に、徹底した手作業でこだわりを尽くして造られるクレマン
クレマン・ド・ブルゴーニュの最高の生産者の1つとして認められることを目標に、徹底した手作業でこだわりを尽くして造られるクレマン
現在流通しているクレマン・ド・ブルゴーニュは大手が手掛けるものがほとんどだが、少しずつ高品質なクレマンの生産にフォーカスする造り手が現れており、その代表格がドメーヌ・デリアンスである。ワイナリーはコート・シャロネーズのメルキュレイとジヴリーのちょうど中間に位置しており、その歴史は1935年まで遡ることができる。当時所有していたブドウ畑はジヴリーに僅か1haのみで、家畜や穀物とともにワインの生産がスタートした。その後1950年代頃からスパークリングの生産を始め、1972年に先代が畑の拡張に着手し10haの規模まで広げた。現在は創業者ルイ・デリアンスの曾孫にあたるリオネルとジュリアンが中心となってドメーヌを発展させ、17haの畑からワインを生産している。
畑はメルキュレイとジヴリーの間に位置するトラシー・ル・フォール村とメルセ村を中心に広がる9haの自社畑と、8haの借り畑から成る。借りているのは土地だけなので、借り畑ではあるものの栽培は全て自分たちで行っている。除草剤は使用せず、サスティナブルの概念に基づいたリュットレゾネを取り入れており、収穫を含めほとんどを手作業で行うことで、「ワインの品質は畑で決まる。畑での作業と収穫中の選果に重点を置く」という信念を貫いている。デリアンスがスパークリングを作る上で重視しているのは、フリーラン・ジュースとプレス・ジュースの果汁の使い分けである。基本的にはフリーランを使用しプレスはネゴシアンに売るが、プレスをあえて加えることで力強さを与える場合もある。さらに状況に応じてプレスを段階的に分け、ファースト・プレスとセカンド・プレス、それ以上プレスしたものに分けて求めるスタイルに応じて使い分けていく。発酵はステンレスタンクを使用し、ピノ・ノワールは自然酵母のみ、シャルドネは自然酵母と培養酵母を併用。自然酵母のみに頼るとマロラクティック発酵が早く進んでしまうおそれがあり、フレッシュさにダメージを与えるリスクがある。そのため培養酵母を使うことでコントロールしている。熟成は12ヶ月以上とクレマンの規定である9ヶ月を上回る。
一般的にスパークリングの製造工程はスティルワインと大きく異なるため、専用の機材をそろえなければならないが、これには設備投資やランニングコストがかかるため、中小規模のワイナリーがスパークリングの生産をする場合は、設備の整った大手ワイナリーに委託をして生産してもらうことがほとんどである。しかしながら、デリアンスは自社スパークリング醸造設備を持つ珍しいワイナリーで、大手の委託醸造とは一線を画す安定したクオリティとコストパフォーマンスを実現している。実際に彼らのスパークリングをブラインドで試飲したデカンター誌は「おそらくあなたはシャンパーニュではないかと困惑するだろう。純粋に素晴らしい、エクセレントなワイン」と大絶賛のコメントを出している。栽培から瓶詰めまでの全てを自分たちの手だけで作り上げる職人デリアンスのクレマンは一度は味わうべきワインであり、今後の活躍から目が離せない。
商品コード:10167E
ジヴリーの北部に隣接する二つの村(ドラシー・ル・フォールとメルセ)からのブドウを使用。フレッシュなフルーツやフローラルなヒントに、ナッツやバターが溶け込むエレガントなアロマ。非常にフレッシュな口当たりでデリケートな泡立ちからくるクリーミーなテクスチャーがリッチな果実味と美しい酸に溶け込んでいる。まるでシャンパーニュを飲んでいるかのような驚くべき品質のクレマン。