ドイツモーゼル[Punderich]
クレメンス ブッシュ
Clemens Busch
目もくらむような急斜面のテラッセン・モーゼルにおいて、不可能と思われていたビオディナミを実践し、けた外れに力のあるリースリングを産み出した先駆者

INTRODUCTION
生産者のご紹介
テラッセン・モーゼルの二大巨頭

全長250kmの川が蛇行するモーゼル地方は、上部のザール・ルーヴァー、ピースポートやベルンカステルを含む中部、以降コブレンツまでの下部としばしば三つに分類される。急斜面に張り付くように植えられているブドウ畑はモーゼルらしさのイメージを喚起させるが、その中でもひときわ傾斜が急な段々畑が広がるのが下部のテラッセン・モーゼルと呼ばれるエリアである。ザールにはエゴンミュラーが、中部にはマーカス・モリトールとJJプリュムがいるように、このテラッセン・モーゼルにも二大巨頭の名にふさわしい生産者がおり、一人がウィニンゲン村のヘイマン・レーヴェンシュタイン、そしてもう一人がピュンダリッヒ村にワイナリーを構えるクレメンス・ブッシュである。1974年より祖父の手ほどきを受けながらワイン造りを始めた現当クレメンスは、現在18haの畑を所有している。畑の大部分は川を挟んでワイナリーの正面に広がるピュンダリッヒャー・マリーエンブルクにあり、南―南東向きグレースレート主体の急斜面からにテラッセン・モーゼルの芸術品とも呼べるワインを生み出している。

30年以上前から区画の個性の表現に取り組む

一般的に、モーゼルのリースリングは異なるスレートの色ごとに個性的なキャラクターがあり、それがワインのスタイルを決める決定的要因かのように語られることがある。しかし、クレメンスは「ワインの味わいは、単純にグレーやブルーといったスレートの色の違いに由来するものではない」という。確かにその要素もあるが、畑の向きや斜度、微妙な標高の違いや風通しなどに影響を受けるミクロクリマも重要な要素であるという。こうした個々の区画の個性を表現するという流れは今でこそ世界的な主流となっているが、クレメンスは今から40年以上も前の1984年に既にこの重要性に気づき、その土地の味を出すためにオーガニック栽培へと切り替え、OINOS(ギリシャ語でワインの意)というドイツ初のオーガニック栽培の生産者団体を同志8人とともに立ち上げた。機械を使用することが不可能な目もくらむような急斜面で化学肥料、農薬を一切使わない栽培は、時間と手間のかかる骨の折れる作業であることが想像に難くない。しかし、「畑は常に栽培者の行いに対して自然な反応を示してくれるはずで、その結果が現在の生命力に満ち溢れた健全な土壌とスレートの合間を縫って地下15~16mまで深く根を張るブドウたちだ」と彼は言う。セラーでは、一部ステンレスタンクも使用するが大部分は伝統的な1000Lのフードルで醸造される。あくまでも優しく丁寧に果汁を扱うことでアロマやミネラルといった要素をブドウから最大限引き出し、天然酵母のみを用いるため8~10ヵ月、時にはそれ以上にも及ぶ自然発酵をじっくりと見届ける。その後ほとんどのワインが収穫の翌8月に瓶詰めされる。

ドイツワインを語る上では決して外すことのできない必需品

クレメンス・ブッシュはドイツワイン評価におけるバロメーター的存在であるEichelmann誌で最高位である5つ星生産者に選ばれ、続くGault&Millau誌では5房とドイツ屈指の評価を受ける。さらにWineAdvocate誌では「テラッセン・モーゼルにおけるチャンピオンであることに異論はなく、ザール・ルーヴァ―を含む全モーゼルにおいて類まれな才能を持つ生産者の一人だ」、ヒュー・ジョンソンからは「けた外れに力のある辛口のリースリングを産する」、ジャンシス・ロビンソンからも「偉大な辛口リースリングの生産者」と枚挙に暇がない。全モーゼルを代表すると言っても過言ではないクレメンスのワインは、ドイツを語る上では決して外すことのできない必需品である。

WINERY DATA
ワイナリーデータ
醸造責任者
Clemens & Johannes Busch
栽培方法
ビオディナミ。
ワインメイキング
プレス後に自然酵母でゆっくり時間をかけて発酵。澱と共に熟成させる。
ウェブサイト
http://www.firadis.co.jp/quality-wine/germany/clemens-busch
ITEM LIST
アイテム一覧
リースリング マリーエンブルク・ローテンプファート GG

2018 Riesling Marienburg Rothenpfad GG

商品コード:10270E

モーゼルにおいて古くから「最上の区画」と名を馳せていた銘醸区画。樹齢約70年。レッドスレート主体の土壌はワインにハーブやスパイスのノートを与える。グレープフルーツやライムのクリアーなアロマに赤果実のヒント。凝縮感のある柑橘果実に石を思わせるミネラルが染み入り、素晴らしい深みを感じさせる。

評価の見方
種類
White
産地
Mosel
ブドウ品種
リースリング100%
醸造・熟成
1000Lの古樽でゆっくりと発酵、澱と共に8ヶ月熟成
評価
Decanter96 Falstaff94 WA94 Vinous92 JR18.5
アルコール度数
13%
残糖
6.7
希望小売価格税抜き
7,300
お問い合わせはこちら
リースリング マリーエンブルク・ファーライ GG

2018 Riesling Marienburg Fahrlay GG

商品コード:10217E

ワイン名はフェリーを意味する「Fahr」とスレートを意味する「Lay」という言葉から作られていて、南向きのこの区画に隣接するモーゼル川をフェリーが横断している様子が浮かぶ。ブルースレート主体の土壌で、樹齢25-75年のブドウが植わっている。砂糖漬けにした黄色系果実のアロマ。力強いクリーミーなテクスチャーがジューシーさを際立たせ、塩味を伴う長いフィニッシュにつながる。

評価の見方
種類
White
産地
Mosel
ブドウ品種
リースリング100%
醸造・熟成
1000Lの古樽でゆっくりと発酵、澱と共に8ヶ月熟成
評価
Falstaff95 WA94 Vinous92
アルコール度数
13.5%
残糖
5.8
希望小売価格税抜き
8,200
お問い合わせはこちら
リースリング マリーエンブルク・フェルステラッセ グローセ・ラーゲ

2018 Riesling Marienburg Felsterrasse GL

商品コード:10356E

高樹齢の古くからある段々畑は保温性に富み、特別なミクロ・クリマの恩恵を受けている。白桃やアプリコット、オレンジなどのジューシーな果実が口いっぱいに広がり、クリスタルのように輝くミネラル感と美しい酸はワイン全体にメリハリを与えている。長く複雑な余韻から魅力あふれるこのワインの高いポテンシャルを図ることができる。

評価の見方
種類
White
産地
Mosel
ブドウ品種
リースリング100%
醸造・熟成
1000Lの古樽でゆっくりと発酵、澱と共に8ヶ月熟成
評価
WA95
アルコール度数
13%
残糖
9.8
希望小売価格税抜き
14,700
お問い合わせはこちら
リースリング マリーエンブルク・ラッフェ グローセ・ラーゲ

2018 Riesling Marienburg Raffes GL

商品コード:11821E

ラッフェはファルケンライの隣に位置し、ワイナリーにとってフェルステラッセと双璧をなす最上の小区画。グレースレート主体の土壌で、樹齢70-80年のブドウが植わる。良く熟した黄色系果実に火打石のアクセント。リッチでパワフルなフルボディのリースリングだが、同時に結晶のような透明感とフィネスが共存している。モーゼル・リースリングの真髄を知るための素晴らしい1本。

評価の見方
種類
White
産地
Mosel
ブドウ品種
リースリング100%
醸造・熟成
1000Lの古樽でゆっくりと発酵、澱と共に8ヶ月熟成
評価
WA96
アルコール度数
13.5%
残糖
10.2
希望小売価格税抜き
14,700
お問い合わせはこちら
評価の見方
WAワイン・アドヴォケイト
WSワイン・スペクテイター
Vinousヴィノス
JRジャンシス・ロビンソン
Decanterデカンタ
MBマイケル・ブロードベント
AMアラン・メドー
RJリチャード・ジューリン
Gault Milauゴー・ミヨ
Eichelmannアイヒェルマン
Falstaffファルスタッフ
Vinariaヴィナリア
GRガンベロ・ロッソ
SWスロー・ワイン
BIビベンダ
ESエスプレッソ
LVヴェロネッリ
GPギア・ペニン
GGギア・グルメ
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