オーナーのベレン・ヴァレラは、ギア・ペニンで毎回90点以上を獲得し続ける、同D.O.を代表するパコ&ローラ ワインセラーの元ゼネラル・マネージャーを務め上げ、2015年に念願のワイナリーをスタートさせた。「真のアルバリーニョ種のアイデンティティーを表現すること」を信条とする。
オーナーのベレン・ヴァレラは、ギア・ペニンで毎回90点以上を獲得し続ける、同D.O.を代表するパコ&ローラ ワインセラーの元ゼネラル・マネージャーを務め上げ、2015年に念願のワイナリーをスタートさせた。「真のアルバリーニョ種のアイデンティティーを表現すること」を信条とする。
スペイン北西部ガリシア州にあるD.O.リアス・バイシャスは、大西洋沿岸に位置するエリアである。1988年設立と比較的若いD.O.ではあるものの、この地の顔とも言えるアルバリーニョの個性を光らせるべく数々の生産者が並々ならぬ情熱を注いだおかげで、その人気・知名度は驚くべき速さで浸透していった。この地に広がる花崗岩土壌とアルバリーニョの組み合わせが総じてレベルの高いワインを生み出し世界の飲み手を魅了したのである。リアス・バイシャスには5つのサブ・リージョンがあるが、その中でもとりわけ注目すべきは沿岸に広がるバル・ド・サルネスである。降雨量の多さに加えて海からの冷たい霧の影響を受けるため、最も冷涼な気候となっている。ここから生まれるフレッシュでクリスピーな酸に潮風が運ぶ塩味が加わり、それを花崗岩由来の強いミネラルが支える。これこそがサルネスのアルバリーニョの醍醐味である。
ファーストヴィンテージは2015年と創業からまだ間もないジャスト・ビーは、この地サルネスのニューカマーであり新進気鋭のドメーヌである。創立者であるベレンの祖父母はもともとこの地に畑を所有しており、ベレン自身はリアス・バイシャス最大の協同組合であるパコ&ローラでゼネラル・マネジャーとして人材育成から新規事業の立ち上げまで多岐にわたるキャリアを積みながらも、自分自身のワインを造る夢を持ち続けていた。6年間の経験を積んだ後、ついにそのキャリアに終止符を打ち家族の伝統であるワイン造りをする決心をした。「ジャスト・ビーはまさに夢の実現」という彼女の言葉からも、ドメーヌ設立に対する思いの強さが垣間見られる。その彼女が目指すのは、「サルネスで育つアルバリーニョの類まれな個性を証明すること」である。所有する畑は5ha、海抜は100m以下とサルネスの中でも極めて海に近いにエリアで、ブドウの樹齢は20~60年。高い棚仕立てで、ヘクタール当たり1000本という低い密樹率で栽培を行う。その理由は、この地が花崗岩主体で比較的砂が多く、有機物と酸に富んだきわめて肥沃な土壌であり、ブドウを密樹させないことで一本あたりに行き渡る栄養を増やし、活力溢れる成長を促すためである。ベレンの畑は一部機械作業のできない小農地があるため、畑作業は非常に伝統的。収穫は100%手作業で、その後は品質を保つために18kgという小さな籠に入れられる。ステンレスタンクを使用して16℃で18日間発酵の後、澱とともに3ヶ月熟成させるが撹拌はしない。バトナージュをすることで確かに膨らみを出すことはできるが、味わいが均一となりアルバリーニョの個性が失われてつまらなくなる、とベレンは言う。
こうした考えのもと極めてシンプルなアプローチからは、フレッシュできれいな酸を持つ果実味と、塩気を伴うミネラルの見事な味わいが生まれるが、ジャスト・ビーのワインにはさらに秘密がある。ベレンは瓶詰後のワインの酸の状態に非常に神経を使っており、他の生産者よりもリリースを約半年遅らせている。一般的に、アルバリーニョはリリース直後の高い酸度がもたらすフレッシュ感を楽しむ飲み手が多い中、ジャスト・ビーでは少し時間をかけることで、落ち着いた酸に柔らかいボリューム感が加わり、強さの中にも絶妙な円熟感が楽しめる。「Just b is just the best!」という言葉が示す通り、ベレンが何よりも大切にしているのは、最高のワインを最高の状態で飲み手に届けることであり、そのこだわりこそが他とは一線を画す最高のアルバリーニョを生み出しているのである。
商品コード:09949E
バル・ド・サルネスの海沿いに広がる畑のブドウ、樹齢は20~60年。花崗岩土壌。白い花と共にローリエやミントのようなハーブのニュアンス、リンゴやグレープフルーツなどのアロマ。芳香性豊かなミディアムボディーで、塩気とともにフレッシュ感が口の中を包み込む。クリーミーなテクスチャーでトロピカルフルーツの甘みと柑橘系のフルーティーさが力強く、バランスのとれた味わい。