スペイン北東部、カタルーニャ州の州都バルセロナから約40km南に位置するD.O.ペネデスは、カバの主要産地として最もよく知られているが、土着品種・国際品種を問わず様々な品種から生み出されるスティルワインにも定評のある生産地だ。栽培エリアは地中海沿岸からカタロニアン山脈の麓まで畑が広がるため、地中海沿いのバホ・ペネデス、最も山沿いにあるアルト・ペネデス、その間にあるメディオ・ペネデスと、標高や気候の違いにより3つのサブ・リージョンに分かれている。バホ・ペネデスでは赤が、メディオ・ペネデスではカバが、アルト・ペネデスでは白に注目が集まる。スペインでは総じて土着品種が話題となるが、ペネデスではそれに並び白品種ではシャルドネが重要視されている。最適地はちろんアルト・ペネデス。最も内陸にあるこのサブ・リージョンは、石灰の強い土壌や、海抜の高さから来る涼やかな気候、山の影響を受けた昼夜の寒暖差など、優れたシャルドネを育む条件が揃っている。
このアルト・ペネデスに構えるカン・フェイセスは15世紀から続く歴史ある農園で、1768年にドン・ハウメ・フェイセスにより醸造所が設立された。20世紀初頭に後継者問題から存続が危ぶまれたが、現オーナーであるウゲット家が地所を買い取り、ワイン造りが続けられることとなった。350haの敷地内では、ブドウの他にオリーブの栽培や羊の放牧も行っており、畑に用いる肥料も自社で賄っている。自然を尊重し、この地の風景を最大限に反映した最高クオリティのワインを目指し、2008年から完全に有機農法でブドウを栽培。約80haのブドウ畑は海抜約350-400mに広がり、昼夜の寒暖差のある涼やかな気候のおかげでブドウはゆっくりと成熟し、糖度と酸の素晴らしいバランスを備える。また、石灰粘土質の土壌は石が多く痩せており、収量が自然と制限される。彼らの入念な畑仕事により、このテロワールの個性がしっかり備わった傑出したクオリティのブドウが育まれるのである。手作業での収穫の後、畑とセラーの計2回選果が行われ、厳選したブドウから得られたフリーラン果汁のみがカン・フェイセスのワインとなる。専門各誌で高い評価を集める彼らのシャルドネは、最高の年のみ造られ、瓶詰め後を含め、合計2年以上のセラーでの熟成を経てリリースされる。長いハングタイムがもたらす複雑で濃厚な果実、それを引き立たせる豊かなオークやフレッシュなキャラクターに、全体を引き締める石灰のミネラル。スペインでこれほどリッチで成熟したシャルドネは中々見つけることは難しい。
商品コード:09632E
D.O.ペネデスの中でも海抜の高いアルト・ペネデスに所有する畑の最高のブドウをセレクションし、最高の年のみ造られる。リンゴのコンポートやプラム、南国系果実、バニラ、ナッツが香るふくよかなアロマ。オークの風味に支えられた非常にリッチな味わいには、クリスピーな酸やシャープなミネラルもしっかりと感じられる。重量感、奥行き、複雑さを備えたフルボディ。
商品コード:09717E
D.O. ペネデスの中でも標高の高いアルト・ペネデスに所有する畑からブドウを厳選して造られるレゼルバ・クラスのボルドー・ブレンド。熟したブラックチェリーやカシスの香りにクリーミーなオークやスパイスのヒント。粒の小さな黒系果実をかみしめるような味わいはエネルギッシュでクリーン。細かなタンニンがフィニッシュに骨格とグリップを与える。