最高のワインの生産地として名高いD.O.リベラ・デル・ドゥエロの黄金地帯にボデガを構え、畑はベガ・シシリアに隣接する。スペイン国内の数多くの一流レストランで供されるパーカー5ツ星生産者。
最高のワインの生産地として名高いD.O.リベラ・デル・ドゥエロの黄金地帯にボデガを構え、畑はベガ・シシリアに隣接する。スペイン国内の数多くの一流レストランで供されるパーカー5ツ星生産者。
フィンカ・ビリャクレセスは、リオハにあるボデガス・イサディを母体とするグルポ・アルテビノが所有するボデガのひとつである。ボデガス・イサディは元々バスクでミシュラン1ツ星のレストランを経営するゴンサロ・アントンが、自身のレストランや親しい友人の著名レストランのために、最高のワインを造るべく設立されたボデガだ。1998年にはマリアーノ・ガルシアにコンサルタントを依頼し、ワイン自体のクオリティも高めた。現在、グルポ・アルテビノはこのボデガス・イサディをはじめ、フィンカ・ビリャクレセス、ベトゥス(D.O.トロ)、オルベン(D.O.リオハ)の4つのボデガを所有する。フィンカ・ビリャクレセスのワインは、文字通りベガ・シシリアに隣接し、以前ピングスに貸し出されていた最高の畑から生まれる。この畑は、13世紀に初めてブドウが植えられたことを証明する文書が残されているほど長い歴史を持つ地所だ。2003年にグルポ・アルテビノがボデガを取得して以降、1年がかりでセラーの改装や畑の整備が行われた。主要品種はテンプラニーリョだが、実験的にカベルネ・ソーヴィニヨンやメルロも栽培されている。クリアンサやレセルバといった従来のスペインワインのカテゴリーの中でワインを造るのではなく、クオリティ重視でワインを造っているため、例えレセルバクラスのワインであってもReservaとは表記はしない。これは同じReservaのワインでも、スペイン全土でみれば品質・価格はかなり異なるため、表記のみで品質が伴わないワインとは一線を画したものを造るという信念の表れである。
今やスペインだけでなく国際的にも最高のワインの生産地として名高いリベラ・デル・ドゥエロは、その名の通りドゥエロ河の河岸に沿って広がるD.O.である。畑の海抜は700m以上と高く、標高が上がるにつれ、土壌は丸い小石が混ざった砂主体の沖積土から、石灰や粘土を多く含むものへと変化する。暑く乾燥した夏と極寒の冬をもたらす大西洋の影響を受けた大陸性気候は非常に厳しく、年間2400時間という恵まれた日照、少ない降雨、時には30度にも達する昼夜の寒暖差がブドウのクオリティを磨き上げる。特に西側地区は高品質のワインを産出するリベラ・デル・ドゥエロの黄金地帯として知られ、ベガ・シシリアをはじめ著名ワイナリーが数多く本拠を構えている。ちょうどその中心に位置するフィンカ・ビリャクレセスも例外でなく、ロバート・パーカーから最高評価の5ツ星を受けるリベラ・デル・ドゥエロの代表的生産者である。海抜710m、ドゥエロ河のすぐ横に拓かれた平坦な畑は、偉大なベガ・シシリアに隣接している。1980年頃に植樹された40haの畑から自社でワインを造る傍ら、2004年までピングスのピーター・シセックにその一部を貸していたというのだから、土地のポテンシャルは明らかだ。その当時からフィンカ・ビリャクレセスのワインは高い評価を得ていたが、2003年に醸造所を譲り受けたゴンサロ・アントンはより高みを目指すため、植樹も含めて畑を整備し、セラーに最新設備を整えるなど、1年かがりで大規模な改修を行った。ゴンサロはエル・ブリのフェラン・アドリアなどスペインのトップシェフ達と親交が深く、自らもバスク地方でミシュラン1ツ星のレストラン、サルディアランを経営する人物である。自分や親しい友人のレストランに見合うモダンで洗練されたワインを造るため、クオリティの産地にある最高の醸造所を求めた彼にとってフィンカ・ビリャクレセスは申し分ない選択だった。
新たに植樹した畑も含め、栽培にはビオロジックを採用。元々カビ病が発生しにくい気候だが、最大限の通気性と日照を得るために手作業でのキャノピーマネージメントは欠かさない。また、河由来の砂利を多く含む砂質土壌は保水性に乏しく、ブドウの生育を健全に保つために干ばつ対策はより徹底している。春から夏にかけて2-3週間おきに人工衛星のサーモグラフィで畑の温度を観測し、夜から昼にかけてのブドウの幹の直径の差を定期的に計測してブドウの生育状態を観察するなど、極度な水不足に陥った区画がないか調べ、問題があれば適切に対処している。これらの入念な畑仕事と、徹底的な剪定と芽かきにより得られた低収量のブドウは区画ごとに収穫され、さらに選果台で優良なブドウのみが厳選される。非常に清潔で機能的なセラーには容量・材質が異なる様々な発酵槽が区画によって使い分けられ、熟成にはフランスのダルナジュー社やタランソー社のバリックが用いられる。ダルナジュー社は、ボルドーの一流シャトーであっても同社の眼鏡にかなった生産者しか取引できないことで知られる。樽職人のサインがひとつひとつ刻まれたバリックはクオリティの証であり、ワインがオークの強さに負けない力を秘めていることの証明でもある。因みに、スペインでダルナジュー社のバリックの使用が認められているのは、ベガ・シシリア、ピングス、そしてフィンカ・ビリャクレセスのみだという。現在3種類のワインを手掛けているが、クリアンサやレゼルバという、時には玉石混合の従来のスペインワインのカテゴリーにはこだわらず、クオリティのみを追求している。世界的に非常に高い評価を受けているが、輸出よりもスペイン国内での販売、特に顧客と生産者のそれぞれの顔が見える直接販売を重視しており、そのリストにはマルティン・ベラサテギやアルサックなど、一流のレストランが名を連ねる。現オーナーのゴンサロが目指した通り、フィンカ・ビリャクレセスは現代のガストロノミー最高のワインを世に送り出している。
商品コード:09032E
ベガ・シシリアに隣接する畑のブドウを使用した並外れてお買い得なリベラ・デル・ドゥエロ。様々なベリー系果実やクレーム・ド・カシス、黒いスパイス、スモークが次々と現れるフローラルなアロマ。極めてリッチで広がりのある味わいはシルクのように滑らかで、層をなすジューシーな果実や伸びやかな酸、細かなタンニンが継ぎ目がなく溶け込んでいる。
商品コード:09030E
ベガ・シシリアに隣接し、以前はフロール・デ・ピングスに使われていた畑のブドウから造られるフィンカ・ビリャクレセスの真髄。モカやエスプレッソ、スモーク、スパイスボックス、赤や黒のベリー系果実が広がるアロマティックな香り。細かく豊富な豊かなタンニンを覆うかのような、幾重にも層をなす濃厚な果実。エレガントな酸がワインに華やぎとエネルギッシュなキャラクターを与えている。非常に凝縮しているが、同時にピュアで透明感が高く、長くフローラルなフィニッシュは輝くように美しい。
商品コード:09031E
樹齢90年を超えるブドウから最優秀年にのみ造られる特別キュヴェ。わずか1.2haの単一畑はオルメディリョ村の海抜810mの南向き斜面にあり、ローム質や砂質土壌には石灰や粘土も含まれる。さまざまなベリー系果実やリコリス、エスプレッソ、スモークが複雑に絡み合う芳香。完熟果実に酔いしれる密度の高いフルボディで、強靭なストラクチャーと、いつまでも続く広がりのあるフローラルな余韻がワインのポテンシャルを十分に示している。