品種とテロワールの正当な組み合わせを理解し、その美点を限りなく引き出すことに成功している。アンドローに位置し、リースリングに最適なシスト土壌と砂岩土壌のグランクリュを所有。
品種とテロワールの正当な組み合わせを理解し、その美点を限りなく引き出すことに成功している。アンドローに位置し、リースリングに最適なシスト土壌と砂岩土壌のグランクリュを所有。
アルザスで最も古い畑のひとつ、カステルベルクは、この地方よりも冷涼なドイツやオーストリアから持ち込まれた品種であるリースリングの美しさが最も引き立つグランクリュだ。アルザス北部、近隣のミッテルベルクハイムやバールよりも奥まったところにあるアンドローの村に面し、ヴォージュの山肌の急斜面に広がっている。すぐそばに高い山が迫る谷の入口に位置しているため、北部アルザスの中でもより涼しい気候もさることながら、この畑を最も特徴付けるのは、アルザスのグランクリュ唯一のシスト土壌である。ドイツの銘醸地モーゼルと同じく、ミネラルに富む粘土由来の痩せた土壌では、重厚感と伸びやかさを兼ね備えた味わいとなり、中部アルザスにありがちな暑い気候と粘土石灰系土壌で育つ酸が固く重苦しいリースリングとは一線を画す。このカステルベルクの唯一無二のキャラクターの表現と真摯に向き合うのがギイ・ヴァッハである。1748年にブドウ栽培を、1888年より元詰めを開始した歴史ある生産者で、古樹を非常に大事にしている。約8haの所有畑の内、樹齢50年以上の区画が75%を占め、最も古いカステルベルクの樹齢85年のブドウはアルザスにおいて非常に貴重である。地中深くまで根を伸ばしたブドウの樹はしっかりとミネラルを吸い上げ、ギイ曰く「まっすぐでクリスタルのような」この地のリースリングのキャラクターに深みと複雑味が与えられる。
ブドウ栽培は環境に配慮し、徐々にビオロジックに移行しており、ブドウの生育期には畑は様々な草花に覆われる。生理学的に成熟するまで待つのはもちろん、糖度と酸度のバランスも計って収穫されたブドウは自然酵母でゆっくりと発酵した後、伝統的なフードルで熟成される。もうひとつのグランクリュ、ヴィーベルスベルクも忘れてはならない。砂岩土壌ならではの抜けがよくふくよかな果実味と、しなやかな酸と、軽やかな広がりと、さりげない芯の強さは、アルザスのリースリングの基本形のひとつといえる。肩に力の入らないギイ・ヴァッハならではのナチュラルな造りが、このグランクリュの特徴をさらに活かしている。品種とテロワールの正当な組み合わせを知る最上の造り手の一人であり、ベターヌ&ドゥソーヴでは「テロワールの特徴を強く表したワイン」と3ツ星評価を受けている。尚、独創的なラベルは画家でもあるギイ自らデザインしている。
商品コード:08168E
ヴィーベルスベルクの真下にある砂岩質の南斜面の区画のブドウを使用。良く熟したオレンジ色の柑橘類の香り。果実の熟度と酸のバランスが良く、涼しい気候と痩せた土地で育つリースリングの凛とした美しさがよく表現されている。
商品コード:08171E
樹齢68年の区画と若樹の区画をブレンド。アルザス特有の赤い砂岩の土壌は蓄熱性が良く、真南を向いた斜面はカステルベルクの東隣にあって日当たりが良いため、ブドウが非常によく熟す。広がりのある果実にさりげない芯の強さ持つ、アルザスのリースリングのお手本のひとつ。
商品コード:08169E
3区画に分かれたブドウの樹齢は45-85年と非常に高い。隣のヴィーベルスベルクよりも勾配が急な南向き斜面で、アンドローの谷の入口に位置しているため日照時間は比較的短い。より涼しい気候が育む透明度の高い完熟果実に、アルザスのグランクリュで唯一のシスト土壌ならではの骨太なミネラル。重厚感とハリを備えた味わいはテロワールと品種の最高の組み合わせの産物である。