ワインインポーターの株式会社フィラディス(本社:神奈川県横浜市、代表取締役社長:石田大八朗)は、シャンパーニュの特級畑グランクリュ、クラマン村でのシャンパン造りを行うべく、今夏より『シャンパーニュ グランクリュ プロジェクト』を始動します。
フランス、シャンパーニュ地方のグランクリュに畑を所有し、ブドウ栽培からシャンパン生産を行うのは日本人では初めてです。インポーターとして数多くのシャンパンを輸入販売するなかで、畑づくりから関わり理想のシャンパンを造ってみたいという夢を抱くようになりました。本プロジェクトはその夢を実現させようという長期的な挑戦となります。
フランス、シャンパーニュ地方では319の市町村が存在しますが、そのうち17村が最もクオリティーの高いブドウを産出するグランクリュに認定されており、現地の生産者にとっても一度はグランクリュでシャンパーニュを造ってみたいと思うほどの憧れの産地です。
しかし、最上級の畑であるため価格も高く、競争相手も多いため、現地生産者でも購入するのは困難です。更に、フランスでは農地の売買には農村土地整備公社SAFER(サフェール)という公的機関が深く関わっており、農地を農地として、また農民のものとして守り後世へ引き継ぐ社会主義的な役割を担うため、外国資本が農地を購入することは非常に難しい状況があります。弊社でも長年畑の購入を模索してきましたが、交渉にもたどり着けない状況が続きました。
そんな中、弊社が正規代理店として取り扱うシャンパン生産者の協力を得られたことにより、今年5月に正式にグランクリュのクラマン村に畑を所有する契約が完了しました。
今回購入した畑は、クラマン村に点在する6つの区画、合わせて0.25ヘクタールです。グランクリュの17村で造られるシャンパンには一つ一つ異なる個性がありますが、なかでもクラマン村は、柔らかく豊かな果実味といきいきとしたミネラルがあり、大きな広がりとクリーミーな質感が特徴のブラン・ド・ブラン(白ブドウのみで造られるシャンパン)を生み出します。こうした特徴はまさに繊細で素材の味わいを活かす和食と相性が良く、日本人の味覚に寄り添うシャンパー
ニュ造りのために最適な村であるといえます。
また、今回取得した畑は1921~1970年に植樹されたという樹齢の高さを誇り、古木が少ないシャンパーニュ地方では非常に貴重です。
今夏より最高品質のブドウを栽培するための畑の整備を進めてまいります。畑づくりには最低でも3年を予定しており、その後順調にシャンパン生産に進めたとしても、醸造・熟成・輸送期間を含めると、日本で販売するまでには6年以上の年月がかかると予想されます。
グランクリュという素晴らしい産地で、日本人による日本人の味覚に合った理想のシャンパンを生み出すべく、妥協なく実直な仕事を行っていきたいと考えています。